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目次
0.序章 | |||
1.誕生 | ここは熊野灘、志摩半島の南、五ケ所浦の入口、田曽岬のすぐ先であった。 | ||
2.風眼坊舜香 | 見晴らしのいい山の頂上に、山伏が一人、風に吹かれて座り込んでいた。 | ||
3.水軍剣法 | 愛洲太郎左衛門宗忠の長男、太郎は七歳になっていた。 | ||
4.寛正の大飢饉 | 長禄三年、春から夏にかけて、雨が全然降らず、日照りが毎日続いた。 | ||
5.五ヶ所浦 | 今、熊野からの商船が入って来たばかりで、港は賑わっていた。 | ||
6.応仁の乱 | 時代は乱世へと向かって行った。 | ||
7.旅立ち | 京で始まった戦は、ここ愛洲の城下にも影響してきた。 | ||
8.京の都 | 京の都、それは焼け野原に変わってしまっていた。 | ||
9.山伏流剣法 | 乞食のような格好になり、目の焦点も定まらす、歩くのもやっとのようだった。 | ||
10.太郎坊移香 | 枯葉を相手に太郎の修行は続いていた。 | ||
11.飯道山 | 山頂の近くには、かなり大きく奇妙な形をした岩々がそそり立っていた。 | ||
12.金比羅坊 | 今日から、いよいよ、剣術の修行ができると太郎は楽しみにしていた。 | ||
13.天狗騒動 | 稽古が終わった後、五人は木陰に隠れて相談していた。 | ||
14.陰の五人衆 | 盛大な飯道山の祭りも終わり、秋も深まり、冬が近づいて来ていた。 | ||
15.高林坊 | 信者たちが続々と山に登って来て、山の中の樹木よりも人の方が多いと思える程だった。 | ||
16.百日行再び | そういう時は、何もかも忘れてみるのもいいもんだと老人は言った。 | ||
17.太郎と楓 | 花養院の本堂を見上げると、屋根の上に風眼坊が座っていた。 | ||
18.智羅天 | 阿星山と金勝山との間にある岩場の上に座り込み、智羅天が出て来るのを待っていた。 | ||
19.陰の術 | 久し振りに道場に向かうと、木剣の響きが懐かしく感じられた。 | ||
20.帰郷 | 楓は初めての旅で、ウキウキと弾んでいた。 | ||
21.水軍と陸軍 | 最後の稽古を終えると太郎は金比羅坊と中之坊と一緒に里へ下りて行った。 | ||
22.多気の都1 | とりあえず目指す所は、伊勢の国司、北畠氏の本拠地、多気の都だった。 | ||
23.多気の都2 | 無為斎という人間に、なぜか、惹かれていた。 | ||
24.百地砦 | のんびりと旅をしていたので、赤目の滝に着いた時には、すでに暗くなってしまった。 | ||
25.岩尾山 | 黄昏時で人影もない花養院の庭に、牡丹の花と芍薬の花が見事に咲いていた。 | ||
26.早雲 | 一人の僧侶が僧坊の軒先から、どんよりとした空を見上げている。 |
文末地図 | 1.田曽岬 2.久能山 3.五ケ所浦 4.四条大橋 5.熊野本宮 6.上御霊社 7.伊賀超え 10.百地屋敷 11.飯道山 13.花養院 14.望月屋敷 16.太神山 18.智羅天の岩屋 19.金勝山 20.喜蔵院 22.多気御所 25.岩尾山 26.修禅寺 |