沖縄の酔雲庵


尚巴志伝

井野酔雲



八重瀬按司、タブチの略歴(1360-1416)


1360年 与座按司の長男に生まれる。 1歳
1362年   弟シタルーが生まれる。 3歳
1369年   父が八重瀬按司を倒して八重瀬按司となる。 10歳
    与座グスクから八重瀬グスクに移る。  
1371年   姉ウシが浦添の若按司、武寧に嫁ぐ。 12歳
1372年   浦添按司の察度が明国に進貢を始め、琉球中山王となる。 13歳
1376年   玻那グスク按司の娘カヤを妻に迎える。 17歳
1377年   父が新グスクを築く。弟のシタルーが新グスクを守る。 18歳
1378年   弟のシタルーが察度の娘トゥイを妻に迎える。 19歳
1379年   弟のヤフスが具志頭グスクに婿に入る。 20歳
    長女マアサが生まれる。母は正妻カヤ。  
1380年 3月 島添大里グスクを攻め取り、父が島添大里按司になる。
八重瀬グスクを任されて八重瀬按司になる。
弟のシタルーは父と共に島添大里グスクに移る。
21歳
  4月 苗代大親が佐敷にグスクを築き、佐敷按司になる。  
    長男エータルー、生まれる。母は正妻カヤ。  
  10月 従兄の島尻大里按司(承察度)が明国に進貢して山南王になる。  
1381年 次女マチルー、生まれる。母は正妻カヤ。 22歳
1383年 7月 妹のウミカナが大グスク按司の側室になる。 24歳
1384年   大グスク按司の娘ナミーを側室に迎える。 25歳
    次男ウシャ、生まれる。母は正妻カヤ。  
1385年 2月 父と共に大グスクを攻め取る。弟のシタルーが大グスク按司になる。 26歳
    助け出された妹ウミカナが叔母の島添大里ヌルのもとでヌルの修行を始める。  
    三女マカミー、生まれる。母は側室ナミー。  
1386年   四女、生まれる。母は正妻カヤ。 27歳
1387年 1月  妹のウミカナが大グスクヌルになる。 28歳
  10月 父が山南王の使者として明国に行く。  
1388年 5月 父が無事に明国から帰る。明国から帰った父は考えを変える。 29歳
    三男エーグルー、生まれる。母は側室ナミー。  
    家臣の娘トゥムを側室に迎える。  
1389年 4月 シタルーが豊見グスクを築いて豊見グスク按司になる。
大グスクには弟のヤフスが入る。
30歳
    五女ミキ、生まれる。母は側室トゥム。  
1391年 4月 今帰仁合戦で活躍する。
父は水軍の総大将として山北王に奪われた鳥島を取り戻す。
32歳
  7月 父が山南王の船を借りて、山南王叔として明国に進貢する。  
1392年 1月 佐敷按司が隠居し、若按司のサハチが按司になる。 33歳
  10月 シタルーが従弟のサングルミーと一緒に明国に留学する。  
    六女ミカ、生まれる。母は側室トゥム。  
1393年 3月 父が山南王の船を借りて、山南王叔として明国に進貢する。 34歳
  9月 島尻大里按司、死す。  
1394年 5月 父が島尻大里グスクを攻め取り、山南王になる。 35歳
    長女マアサが与座按司に嫁ぐ。  
    糸満のウミンチュの親方、ブラゲー大主から贈られた娘マイを側室に迎える。
ブラゲー大主は古くから貝殻を扱っている親方。
 
  10月 父が山南王叔として明国に進貢する。親方に頼まれた貝殻を積んでいく。  
    貝殻は明国の商人たちに喜ばれ、親方も喜ぶ。  
1395年 1月 佐敷按司と玉グスク按司が二重の婚姻で同盟する。 36歳
  5月 シタルーとサングルミーが明国から帰国する。  
    四男チヌムイ、生まれる。母は側室マイ。  
  10月 察度(75)、死す。義兄の武寧が中山王になる。  
1396年 2月 父が山南王叔として明国に進貢する。 37歳
  4月 次女マチルーが米須若按司に嫁ぐ。  
  5月 シタルーが国場川で「ハーリー」を催す。  
  11月 父が山南王叔として明国に進貢する。  
1397年 1月 佐敷按司と知念按司が同盟する。 38歳
  3月 武寧の三男イシムイと玉グスクの娘ウミタルの婚礼。
浦添グスクに琉球中の按司が集まり、シタルーの人気に嫉妬する。
跡継ぎになるために画策を始める。
 
  5月 シタルーがハーリーを催す。中山王と親しいシタルーに嫉妬する。
このままでは山南王の地位をシタルーに奪われてしまうと焦る。
中山王と親しいシタルーに対抗するには味方を増やさなければならない。
まずは敵である糸数と結び、玉グスク、知念、佐敷とも手を結ぼうと考える。
 
1398年 2月 長男エータルーに糸数按司の娘ウトゥミが嫁ぐ。 39歳
  5月 シタルーがハーリーを催す。  
1399年 明国から密貿易船が来るようになる。 40歳
1400年 1月 三女マカミーが佐敷按司の弟マタルーに嫁ぐ。 41歳
1401年 1月 父が倒れる。 42歳
  4月 次男ウシャに垣花按司の娘が嫁ぐ。  
  5月 四女が玉グスク按司の三男に嫁ぐ。  
  11月 父(64)、死す。シタルーを跡継ぎにと遺言する。  
    島尻大里グスクを武力で奪う。遺言状を重臣から受け取る。  
    弟と家督争い。  
    要請を受けて東方の按司たちが島添大里グスクを攻める。  
1402年 1月 中山王の介入で弟のシタルーが山南王になる。
チヌムイの母親マイがシタルーに殺される。
43歳
    娘マイが殺され、ブラゲー大主はシタルーを恨む。山南王との取り引きをやめて、中山王武寧と取り引きをする。ブラゲー大主は敵を討つためにシタルーを見張る。  
    佐敷按司(サハチ)が島添大里グスクと大グスクを攻め落とし、島添大里按司になる。  
    馬天ヌルに助けられたウミカナが島尻大里グスクに行き、島尻大里ヌルになる。  
    焼け落ちた八重瀬城下の再建に励む。  
  4月 シタルーが島添大里按司のサハチと同盟を結ぶ。  
  12月 シタルーが山南王世子汪応祖として進貢する。  
1403年 5月 シタルーが武寧と相談しながら、首里にグスクを造り始める。 44歳
  8月 武寧の配下の上間按司が糸数グスクを攻め落とし糸数按司になる。  
1404年 4月 冊封使が初めて琉球に来る。 45歳
    五女ミキが糸数の上間按司の長男に嫁ぐ。糸数と新たに同盟。
糸数から武寧に接近しようと考える。シタルーと武寧の離間策。
 
  6月 首里の宮殿で冊封の儀式を行ない、シタルーが正式に山南王となる。  
    三男エーグルーに知念按司の娘が嫁ぐ。  
1405年 9月 八重瀬と中山王の婚約が決まる。 46歳
1406年 1月 中山王と同盟し、六女ミカが武寧の四男シナムイに嫁ぐ。 47歳
    首里グスクが完成する。  
  2月 島尻大里を攻める。中山王も東方の按司も味方に付ける。  
    島添大里按司(サハチ)が武寧を倒して首里グスクを奪い、浦添グスクを焼き払う。  
    中山王の若按司が戦線離脱して首里に向かうが戦死する。  
    サハチに邪魔されて、怒り狂い、兵を撤収させる。  
    隠居していたサハチの父が中山王になる。  
    六女ミカと中山王妃だった姉が浦添から逃げてくる。  
1407年 1月 首里グスクに行き、中山王思紹に新年の挨拶をする。
中山王に頭を下げる気はなかったが、豪華な首里グスクを見て気が変わり、中山王に従う事に決める。
48歳
    中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。
サハチ、ウニタキ、ファイチも一緒に行く。
 
  2月 泉州に着いて来遠駅に入る。  
  4月 サングルミーと一緒に応天府に行く。  
  6月 杭州でサハチたちと会う。  
  7月 帰国。  
  10月 奥間から側室ミミを贈られる。  
    母が亡くなる。  
1408年 1月 中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。
娘婿のマタルーも一緒に行く。
49歳
  6月 帰国。  
  9月 五男、生まれる。母は奥間の側室ミミ。  
1409年 1月 中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。順天府まで行く。 50歳
  8月 帰国。  
1410年 1月 中山王の進貢船に乗って、従者として明国に行く。 51歳
  6月 帰国。  
  次男エーグルーに喜屋武岬の近くにグスクを築かせる。  
  9月 七女、生まれる。母は奥間の側室。  
  10月 中山王の副使として明国に行く。
米須按司、玻名グスク按司。次男のウシャが一緒に行く。
 
    山北王の娘マサキが山南王の三男グルムイに嫁ぐ。  
    新グスクに逃げて来たンマムイが母親を訪ねて八重瀬グスクに来る。  
1411年 3月 帰国。獅子舞を持って来る。 52歳
  4月 若按司エータルーが中山王の進貢船に乗って明国に行く。  
  5月 三王同盟。  
  6月 シタルーから側室ミユーが贈られる。シタルーに側室を贈る。  
  11月 中山王の正使として明国に行く。三男エーグルーが一緒に行く。
米須按司、玻名グスク按司、前真壁按司、前伊敷按司を連れて行く。
 
    明国の文人たちと付き合い漢詩を始める。  
1412年 3月 帰国。 53歳
    張三豊から横笛を習う。  
  4月 姉のウシが亡くなる。  
    喜屋武グスクが完成する。次男ウシャが喜屋武大親を名乗る。  
  11月 中山王の正使として明国に行く。
米須按司、玻名グスク按司、前真壁按司、前伊敷按司を連れて行く。
 
1413年 4月 帰国。 54歳
  10月 四男チヌムイが姉のミカと一緒に山南王シタルーを殺して母の敵を討つ。  
    チルムイからシタルーを殺した事を聞いて驚き、隠居して長男に八重瀬按司を譲る。  
    死を覚悟してシタルーの遺体を島尻大里グスクに運ぶ。  
    シタルーの重臣たちと会い、照屋大親から山南王になれと言われて驚く。
父が察度から贈られた御神刀を身に付けて、山南王になる決意を固める。
 
    東方の按司たちに長嶺グスクを攻めてくれと依頼する。  
    山南王妃が王印を持ち出した事を知って慌てる。  
  11月 照屋大親と糸満大親の裏切りで進貢船をタルムイに奪われて物凄い剣幕で腹を立てる。  
    豊見グスク攻めに失敗し、山南王になる事を諦める。  
    八重瀬ヌルと島尻大里ヌルを連れて島尻大里グスクから出て喜屋武グスクに行く。  
    サハチとウニタキに見送られ、チヌムイを連れて琉球を去り久米島に逃げる。  
    久米島の堂村に落ち着き、子供たちに読み書きを教える。  
    ミカは久米島のヌル、クイシヌに気に入られる。  
1414年 6月 サハチたちが久米島に来て、再会を喜ぶ。 55歳




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