酔雲庵

侠客国定忠次一代記

井野酔雲

創作ノート




『東村誌(群馬県佐波郡)』より




国定村の領有関係

 17891813‥‥‥岩鼻代官、吉川栄左衛門

 18131821‥‥‥岩鼻代官、川崎平右衛門

 18211824‥‥‥岩鼻代官、伊奈友之助

 18241827‥‥‥岩鼻代官、佐藤忠右衛門

 18271829‥‥‥岩鼻代官、林金五郎

 18291833‥‥‥岩鼻代官、山本大膳

 18331836‥‥‥岩鼻代官、矢島藤蔵

 18361840‥‥‥岩鼻代官、羽倉外記

 18401843‥‥‥大名、  林肥後守

 18431844‥‥‥岩鼻代官、山本大膳

 18441845‥‥‥岩鼻代官、関安右衛門

 18451849‥‥‥岩鼻代官、林部善太左衛門

 1849〜    ‥‥‥     松平大和守


・田部井村(領主、400石が平岩七之助、7石4升が天領)

 1799年、1832年の名主は尾内弥平次。


・東小保方村、木島村(領主は旗本久永氏)

 久永陣屋(大東神社)詰の役人  1826年〜萩原周助

                       1829年〜萩原要右衛門(−1868


・西小保方村(領主、1822年松平筑前守、1857年松平河内守)


六道の辻‥‥‥通称あづま道と足尾銅山、世良田の平塚河岸を結ぶ『かしけえど(河岸街道、初期の銅街道の一つ)』の二本と、さらにここを基点とした武蔵国秩父、中瀬へ通じる熊谷道と観音坂を越えて足利、古河方面へ通じる二本が新たに発する交通の要衝。







群馬県の方言訛語




あくたれ‥‥‥悪口 あてづっぽう‥‥‥無目的 あま‥‥‥女を卑しめて言う
あおにさい‥‥‥年若きを嘲る あぶらうる‥‥‥暇を盗む

いじくる‥‥‥弄ぶ

いびる‥‥‥弄ぶ いってつ‥‥‥頑固 うさんくさい‥‥‥あやしい
うすのろ‥‥‥ぼんやりした人 うちのめす‥‥‥打ち倒す事

うっちゃる‥‥‥捨てる事

うせろ‥‥‥退け えんごう‥‥‥頑固 ええきび‥‥‥人の失敗の悪口
おあし‥‥‥銭 おっかあ‥‥‥母 おこわ‥‥‥赤飯
おっつぶす‥‥‥押し潰す おじける‥‥‥怖々たる事 おとっさん‥‥‥父
おっぱらう‥‥‥追い払う おどす‥‥‥しかる おべっか‥‥‥へつらう事
おっぺす‥‥‥押す おてんたら‥‥‥へつらい おたふく‥‥‥婦人を罵る事
おさんどん‥‥‥下女 おたんちん‥‥‥心ののろき人 おつなこと‥‥‥物事普通でない事
おっちゃん‥‥‥おじ おひゃらかす‥‥‥愚弄する事 おてんとうさん‥‥‥太陽
おめい‥‥‥他人を言う おうざっぱ‥‥‥大略 おろぬく‥‥‥間引する
おき‥‥‥火 おたくら‥‥‥意義なき事 おてんば‥‥‥飛び上がり娘
おこうこう‥‥‥大根漬け おっかさん‥‥‥母 おつけ‥‥‥汁
おっかく‥‥‥割る おちゃんこ‥‥‥女の陰部 ガキ‥‥‥子供
かかあ‥‥‥妻 かけだし‥‥‥未熟者 かさっかき‥‥‥梅毒
かしがる‥‥‥傾く かいかぶる‥‥‥見損なう事 からげる‥‥‥巻き付ける
ぎす‥‥‥痩せた人 きせろ‥‥‥煙管 きちょうめん‥‥‥きまり良い
ぎんながし‥‥‥見えを飾る人 くね‥‥‥垣 くえねえ‥‥‥油断できない
くちわる‥‥‥秘密を言いならす くたばる‥‥‥死ぬ ぐにあわねえ‥‥‥道理に合わぬ
くでえ‥‥‥くどい ぐず‥‥‥苦情を言う者 くちい‥‥‥満腹で苦しい事
くさる‥‥‥濡れる事 ぐれたや‥‥‥浮浪者 ぐうたら‥‥‥秩序なき有り様
くわで‥‥‥桑の枝 くれろ‥‥‥下さい ぐれる‥‥‥間違う
けちなやつ‥‥‥変な人 けちんぼう‥‥‥吝嗇家 けなす‥‥‥人の言を打ち消す 
けろり‥‥‥平然たる事 けち‥‥‥難癖 げいもねえ‥‥‥つまらん
けぶ‥‥‥煙り こきつかう‥‥‥酷く使う こけやろう‥‥‥人を愚弄する
こじき‥‥‥癩病患者 こざっぱり‥‥‥心の晴々しい事 こじつけ‥‥‥曲解
ごろつき‥‥‥浮浪者 こけ‥‥‥馬鹿 こましゃくれる‥‥‥大人びた
こちめんどう‥‥‥面倒 ごけ‥‥‥やもめ こが‥‥‥風呂桶
ごたを言う‥‥‥無理を言う ごうぎ‥‥‥沢山 さんざ‥‥‥十分
さばけた人‥‥‥通人 さびい、さぶい‥‥‥寒い さい‥‥‥白湯
しやがれ‥‥‥せよ しくじる‥‥‥失敗する しつっけえ‥‥‥執拗
しょっぱな‥‥‥始め しょっちゅう‥‥‥常に 尻ぬぐい‥‥‥人の失敗の後始末
じゃんか‥‥‥アバタ面 すかんぴん‥‥‥貧乏者 ずべら‥‥‥規則的ならず
すっぱぬく‥‥‥秘密をばらす すれからし‥‥‥人ずれした者 せしめる‥‥‥強いて我物にする
せつねえ‥‥‥苦しい事 せぶる‥‥‥強制する せせくる‥‥‥嘲弄
せど‥‥‥家の裏 せっかち‥‥‥急ぎ込む人 だいなし‥‥‥値打ちがない
たくしあげる‥‥‥取り上げる だしぬけ‥‥‥突然 たたきだす‥‥‥追い出す
たあけ‥‥‥白痴 だるい‥‥‥疲れて物憂い事 だんべえ‥‥‥であろう
だるま‥‥‥娼婦 ちょっくら‥‥‥一寸 ちょろかす‥‥‥欺く
づべら‥‥‥締まりなき事 でいでい‥‥‥太々神楽 でえどこ‥‥‥台所
でーこん‥‥‥大根 でっけえ‥‥‥大きい でくのぼう‥‥‥木偶漢
てごめ‥‥‥他品を自由にする てんてこ舞い‥‥‥多忙 とっくに‥‥‥早くに
どうしんぼー‥‥‥乞食 どぶろく‥‥‥濁酒 なりんぼう‥‥‥癩病
にやける‥‥‥女々しき事 ぬくい‥‥‥暖かい ねぶってえ‥‥‥眠い
のたくる‥‥‥うねり廻る のんべんだらり‥‥‥無方針 のろま‥‥‥愚鈍者
ののこ‥‥‥綿入れ のれえ‥‥‥遅い 飲んだくれ‥‥‥泥酔者
はたく‥‥‥叩く ばんげ‥‥‥夕刻 ひやかす‥‥‥嘲弄する
ぶきっちょ‥‥‥不器用 ぶらつき‥‥‥無頼漢 ぶっちゃらかす‥‥‥散らかす
ぶっきらぼう‥‥‥無愛想 ぶっこ抜く‥‥‥打ち抜く ふんづかめる‥‥‥捕らえる
へこませる‥‥‥言いくるめる へちゃもくれ‥‥‥他人を罵る ぺてんし‥‥‥人を欺く者
へぼ‥‥‥下手 べべっちょ‥‥‥女の陰部 へら‥‥‥舌
へんてこ‥‥‥変な へんちきりん‥‥‥変態 ほっつき歩く‥‥‥彷徨する
ほのめかす‥‥‥気振りを見せる ほうすけ‥‥‥馬鹿 ほろくれ‥‥‥老人
ぽんつく‥‥‥思慮足らぬ人 まだらっけえ‥‥‥手緩い事 丸ぽちゃ‥‥‥丸顔
みくびる‥‥‥見下す 見さっせえ‥‥‥見なさい むしん‥‥‥都合して貰う
むかっぱら‥‥‥急に腹立つ事 めかす‥‥‥身なりを飾る めっかち‥‥‥片目の人
めんくらう‥‥‥慌てる もがく‥‥‥苦しむ様 やけっくそ‥‥‥自暴自棄
やく‥‥‥嫉妬する やんす‥‥‥ます やんや‥‥‥誉め囃される
ゆるぐ‥‥‥動く 夜なべ‥‥‥夜業 理屈っぺえ‥‥‥理屈を言う人
ろくでなし‥‥‥役立たず ろくたま‥‥‥ろくに






『群馬県史、資料編14』より




1819年9月、那波郡上新田村諸色相場引下げ改値段書付

       地造上酒1升‥‥248文→224

       地造中酒1升‥‥200文→172

       地造次酒1升‥‥140文→124

       地造新酒1升‥‥100

       地造上醤油1樽‥‥748文→724

       地造中醤油1樽‥‥572文→548

       旅籠代1人‥‥148文→140

       1膳飯‥‥12文→10

       そば切、うどん1膳‥‥16文→15

       塩1升‥‥28文→27

       豆腐1丁‥‥24文→22

       日雇い1人‥‥124文→112

       草鞋‥‥12文→11

       煙草‥‥上物10匁に付き26文→24文、並1014文→12

       さんま10匹‥‥76文→72

       いわし10匹‥‥28文→26

       茶漬1膳‥‥18文→16







『吾妻郡誌』より




高野長英略年譜

 1804年5月5日、陸奥国水沢に生まれる。父は後藤惣助。

 1817年、    叔父高野玄斎の養子となる。14

 1820年、    江戸に出て吉田長叔の門に入り、蘭方医を修める。17

 1825年、    長崎に至り蘭医シーボルトに従って学ぶ。この年幕府、外国船打払令を下す。22

 1828年、    長崎を去る。25

 1832年、    医学樞要を著す。渡辺華山との交際始まる。29

 1835年、    この頃、既に吾妻郡と関係あり(福田宗禎日記)。32

 1836年8月7日、沢渡福田宗禎方に来たり、11日、去る。33

 1838年、    江戸の住宅、焼失。書を伊勢町柳田鼎蔵、沢渡福田宗禎に寄せて復興につき援助を求める。
           モリソン来航の風聞あり、憂国の情己み難く、夢物語を著して世人を警醒する。35

 1839年、    永牢に処せられる。36

 1844年、    獄舎焼失に乗じ脱走して帰らず。この年、吾妻郡内に長英の人相書が回る。

 185011月、  捕吏に襲われて自殺する。





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