機織唄 |
機織り上手な嫁取り当てて 家のしんしょも太り縞 |
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忍ぶ大間々 浮名はたてど ぬしにみさおを わしゃたてばやし |
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機場育ちは一目で知れる 着物きこなし 身のこなし
やさしいなかにも しんがある しんがある |
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可愛がられた蚕の虫も 今じゃ煮られて なべの中 |
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可愛殿御は 仁田山通い 小倉峠が淋しかろ |
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機織すりゃこそ お召しの羽織り 家じゃご飯も喰いかねる |
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桐生新宿 女の夜ばい 男後生楽ねて侍る |
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糸ひき唄 |
可愛がられた蚕の虫も 今じゃ煮られて なべの中 |
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糸は千たび 切れてもつなぐ 主と切れたらつながらぬ |
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五十三八 一六よりも わたしゃ二七がまだつらい |
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恋の駒形 なさけの都 なさけ知らずのいなり山 |
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糸引きしまえば 七つの銭湯 銭湯ゆかずに主のそば |
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江戸へござるより 世良田へござれ お江戸まさりの長楽寺 |
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糸は正直 むらから切れる むらがなければ切れやせぬ |
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越後屋根八と関東のカラス 色が黒くて目が光る |
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まゆは上繭 煮かげんもよいが わが手が下等でままならぬ |
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繭に煮かげん ぶアーとりかげん 糸目でないのは手のかげん |
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のたり目のたし つげぐしアーおまけ 喧嘩するとき邪魔になる |
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粟つき唄 |
わたしゃ武士(たけし)の あわがら育ち 米の生る木をまだ知らぬ |
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稲刈り唄 |
わたしゃ大田の金山育ち ほかにきはない まつばかり |
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保泉(ほずみ)たけしは 粟がら育ち わたしゃ中島芋育ち |
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島村船頭唄 |
前は利根川 うしろは広瀬 なぜかわたしは川の中 |
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行こか深谷へ 帰ろか境 ここが思案の中瀬橋 |
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舟の舟頭さんに まことがあれば 立てた帆ばしらに花が咲く |
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吹けよ川風 あがれよすだれ なかのお客の 顔見たい |
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沖でかもめの なく声きけば 舟乗り稼業が やめらりょか |
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桑摘み唄 |
男だてなら あの利根川の 水の流れを 止めてみな |
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利根をはさんだ あの島村へ 嫁にくれるな この娘 |
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前は利根川 うしろは広瀬 わたしゃ桑摘み はたけ中 |
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行こか境へ 帰ろか家へ ここが思案の武士橋 |
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春はせわしや 蚕の世話よ 娘かしたり 貸されたり |
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蚕上手な嫁御をもらい 細いしんしょも 太織縞 |