酔雲庵


戦国草津温泉記・湯本善太夫

(2007年改訂版)

井野酔雲

創作ノート







上野国の修験




・白岩山長谷寺悉慈院 ‥‥‥ 現在、金峯山修験本宗寺院。元、天台宗聖護院末住心院配下。
本尊は十一面観音。
・榛名神社 ‥‥‥ 満行権現、本地は地蔵菩薩、勝軍地蔵。満行宮、
巌殿寺(満行寺)天台→14世紀末真言。
山内に神護院、金剛院、満福院(真言)、実相院、泉乗院あり。
参道に74の宿坊が並び多数の僧兵を持つ。
 ・満行寺 ‥‥‥ 安中市上後閑。隣接する榛名神社の別当寺。榛名神社は仏教的に榛名権現、あるいは満行権現、本地仏は地蔵菩薩もしくは勝軍地蔵。
・伊香保神社 ‥‥‥ 五徳山水沢寺(天台)、柳沢寺。
・赤城神社 ‥‥‥ 東宮(社家奈良原氏)、西宮(社家真隅田氏)あり。別当は慈照院。
寿延寺(前橋)、糟川寺(伊勢崎)
赤城山山頂(地蔵岳)に覚満大菩薩、本地は地蔵菩薩。
三所明神、地蔵菩薩(地蔵岳)、千手観音(大沼)、虚空蔵菩薩(小沼)
 ・宮田不動堂 ‥‥‥
 ・近戸神社 ‥‥‥ 粕川村月田。本地仏は小沼と同じく虚空蔵菩薩。
・波己曾(妙義)神社 ‥‥‥ 白雲山石塔寺。神力院、三明院は本山派。
・抜鉾(貫前)神社 ‥‥‥ 別当寺光明院(天台)、本地は弥勒菩薩、観音菩薩。
・碓氷八幡神社 ‥‥‥ 別当の大聖寺。
・総社神社 ‥‥‥ 元総社町宮鍋にあったが、永禄年間に武田氏の兵火に会い焼失、現在地に移される。
・安中妙光院 ‥‥‥ 真言。
・松井田金剛寺 ‥‥‥ 真言。
・足利小俣鶏足寺 ‥‥‥ 13世紀の中頃より天台から真言修験となる。
・白根山 ‥‥‥ 女人禁制の山。三原の常法院(本山派修験、下屋家)。長野原大覚院、
長野原金龍院、赤岩鏡覚院、今井一乗院、草津常楽院など、すべて本山派。
今井今宮白山権現。
 ・門貝熊野神社 ‥‥‥
 ・行沢馬頭観音 ‥‥‥
大蔵坊 ‥‥‥ 群馬町西国分、本山派修験。1486年、聖護院門跡道興滞在。
桜本坊 ‥‥‥ 藤岡市古桜町、本山派修験。1486年、聖護院門跡道興滞在。吾妻郡に同行院が多い。
・文殊院 ‥‥‥ 勢多郡東村、本山派修験。
・長巌寺 ‥‥‥ 小幡八幡宮の別当、本山派修験。
・久蔵坊 ‥‥‥ 松井田、本山派修験。
・興蔵寺 ‥‥‥ 館林、本山派修験。
・大光院 ‥‥‥ 邑楽郡舞木、本山派修験。江戸時代初期の上野国先達寺院。
・大乗院 ‥‥‥ 林村、本山派修験。
・潜龍院 ‥‥‥ 郷原、本山派修験。
・観音寺 ‥‥‥ 倉賀野、当山派修験。
・唐沢寺 ‥‥‥ 高崎、当山派修験。


◇臨済宗寺院 ‥‥‥ 世良田長楽寺、桐生宝徳寺(桐生氏)、桐生西方寺(桐生氏)、那波泉龍寺(那波氏)、川場村吉祥寺(大友氏)、高崎興禅寺(新田氏)、子持村空恵寺(長尾氏)、桐生崇禅寺(薗田氏)、千代田町宝林寺(大江氏)
◇曹洞宗寺院 ‥‥‥ 子持村双林寺(長尾氏)、館林市茂林寺(赤井氏)、室田長年寺(長野氏)、富岡市最興寺(小幡氏)
◇時宗寺院 ‥‥‥ 板鼻聞名寺、浜川来迎寺、岩松(尾島町)青蓮寺、山名光台寺、秋妻(邑楽町)光林寺、舞木(千代田町)円福寺、那波西光寺。






関東の修験道




・1486年、 聖護院門跡道興准后の廻国
上野国大蔵坊、上野国杉本坊、上総国神野山、常陸国山田慶城、常陸国佐西観音寺、常陸国筑波山、安房国清水山、安房国鋸山、日光山、箱根山、相模国大山、武蔵国大塚十玉坊、川越最勝院、


・真言系寺院 ‥‥‥ 箱根山(別当金剛王院)、走湯山(般若院)、大山(大山寺)、高尾山(薬師院)、鹿野山(神野寺)、清澄山(清澄寺)、筑波山(知足院)、
・天台系寺院 ‥‥‥ 日光山(輪王寺)、妙義山(東叡山元光寺兼帯)、榛名山(巌殿寺)
・本山派聖護院末 ‥‥‥ 三峰山(観音院)、八菅山(光勝寺)
・日光山 ‥‥‥ 戦国時代、北条方に与したため、社領も没収され衰微した。日光山の再興は、第53世座主天海によってなされた。


◎日光山

766年 勝道上人が日光の地に初めて足を踏入れ、四本龍寺を創建。
820年 弘法大師空海が登山。
848年 慈覚大師円仁が登山。
1210年 第24世座主に頼朝の帰依僧辨覚法印が補任される。
1240年 四本龍寺に代わる本院を建立し、四条天皇より勅賜あって光明院と称号される。衆徒36坊、小坊300余坊、71郷約18万石の勢力を持つ大寺となる。
1308年 鎌倉七代将軍、惟康親王の長子、仁澄大僧正が第28世座主となる。
南朝に加担し、その勢力を天下に示す。
1420年 壬生氏一族の第38世権別当昌瑜法印が座禅院に住して執務を行なうようになり、以後、慶長に至るまで壬生氏が権別当に任じた。
1486年 聖護院道興准后が登山。
1509年 柴屋軒宗長、日光山参詣。
1590年 衆徒は壬生氏と共に北条氏に加担し敗れ、秀吉の怒りにふれ、領地没収、門前屋敷と足尾郷700石を残すのみとなる。
1613年 第52世権別当昌尊法印が職を退き、14代で座禅院権当時代は断絶する。同年、天海大僧正が53世座主に就任し、光明院住職を再興する。


・榛名神社 ‥‥‥ 満行権現、満行寺。巌殿寺を称すのは1614年、徳川家康から安堵状を受け、1625年、上野寛永寺に属するようになってから。
中之坊、満福院、金剛院、円乗院、実相院。4月9日大祭礼。
・武蔵山本坊 ‥‥‥ 入間郡越生郷黒山。本山派大先達職。1528年以前に、秩父66郷熊野参詣先達職を任じられ、慶長10年には入間郡西部、上比企郡、同13年越後国の年行事職、元和9年常陸国まで配下に置き、合計180寺、院を支配した。



◎浅間山 ‥‥‥ 本地は虚空蔵菩薩。
群馬県側鎌原に浅間明神の別当天台宗浅間山延命寺。
長野県側施(塩)野に浅間明神の別当真言宗浅間山真楽寺。
◎四阿山(吾妻山) ‥‥‥ 別当蓮花童子院。
◎白根山 ‥‥‥ 林大乗院同行、常楽院(本山派、細野氏)。
嬬恋村今井一乗院(熊野若王子、西窪氏)。





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