終章
酔中花とは山の中でも、海の中でも、都会でも、田舎でも、 地球上のどこにでも、あるいは宇宙のどこにでも、 あらゆる所に、いつでも咲いている花の事である。 可憐な小さな花でもあり、雲のような大きな花でもあり、 見る者の心によって、あらゆる形に、あらゆる大きさに変化し、 あらゆる香りを漂わせる花の事である。 人間が、その花の事を忘れない限り、 その花は永遠に咲き続けている事だろう。 そして、宇宙が夢まぼろしであるように、 酔中花もまた、夢まぼろしの花である。
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