酔雲庵


酔中花

井野酔雲






終章




酔中花とは山の中でも、海の中でも、都会でも、田舎でも、

地球上のどこにでも、あるいは宇宙のどこにでも、

あらゆる所に、いつでも咲いている花の事である。

可憐な小さな花でもあり、雲のような大きな花でもあり、

見る者の心によって、あらゆる形に、あらゆる大きさに変化し、

あらゆる香りを漂わせる花の事である。

人間が、その花の事を忘れない限り、

その花は永遠に咲き続けている事だろう。

そして、宇宙が夢まぼろしであるように、

酔中花もまた、夢まぼろしの花である。







御愛読ありがとうございました。それではインドで会いましょう




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