沖縄の酔雲庵


尚巴志伝

井野酔雲



馬天ヌル(馬天ノロ)の略歴


1357年   馬天浜に生まれる。童名はマカマドゥ。 1歳
    父親はサミガー大主、母親は大グスク按司の娘。  
1368年   馬天ヌル(馬天大主の娘)のもとでヌルになるための修行を始める。 12歳
1369年 6月 兄のサグルーがヤマトゥへと旅立つ。兄の無事を祈る。 13歳
1370年 1月 兄のサグルー、無事にヤマトゥから帰る。 14歳
1371年 1月 馬天若ヌルになる。 15歳
1372年 1月 甥のサハチ(尚巴志)が生まれる。 16歳
1376年 4月 師の馬天ヌル、5歳のサハチを見て、ただ者ではないという。 20歳
  9月 馬天ヌル(64)死す。馬天ヌルを継ぐ。  
    馬天ヌルは島添大里のサスカサヌルから教えを請えと言って亡くなる。  
    若く、自惚れていた馬天ヌルはサスカサヌルから教えを請わない。  
1380年 3月 島添大里グスク、落城する。サスカサヌルが城下から消える。 24歳
  4月 兄が佐敷按司になる。亡くなった馬天ヌルが言った言葉の意味がわかる。  
    先代の馬天ヌルから按司を守るための儀式の事は教わってはいなかった。  
    サスカサヌルを捜すがいない。噂では戦死したのだろうという。  
    伯母の大グスクヌルに教えを請うが、若ヌルの指導に忙しく、なかなか教えてくれない。  
1385年 1月 姪のマシュー(12)が弟子になる。 29歳
  2月 大グスク落城。大グスクヌル(32)も亡くなる。  
1386年 12月 武芸者のヒューガが早田三郎左衛門の船に乗って佐敷に来る。 30歳
    サハチ、クマヌの案内で、ヒューガと一緒に旅に出る。  
1387年 2月 サハチ、ヒューガと共に佐敷に帰る。 31歳
    ヒューガはクマヌの屋敷に世話になる。  
  サハチと稽古をしているヒューガを見て、なぜか気になる。  
  3月 初めて、ヒューガと話をする。  
  5月 サハチ、ヒューガと一緒にヤマトゥに行く。  
  8月 サハチの嫁になるという娘(マチルギ)が佐敷に現れて驚き、神様のお告げを聞いて安心する。  
  10月 サミガー大主の屋敷で、ウミンチュから久高島のウタキに7年も籠もっているカミンチュ(神人)がいると聞く。  
    すぐにでも久高島に行きたいが、長い間、留守にできないので諦める。  
1388年 1月 兄の佐敷按司からサハチが島添大里按司を倒し、浦添按司も倒し、今帰仁按司も倒して、琉球を統一すると言っているが、どう思うと聞かれる。 32歳
    驚くが、サハチならやるかもしれないと思い、そう答える。  
    佐敷按司は黙ってうなづき、サハチを守ってやってくれと言う。  
    サハチが島添大里グスクを奪うのなら、是非ともサスカサから教えを請わなければならないと思う。  
    佐敷ヌルと一緒に、マチルギから剣術を習い始める。強くなって久高島に行こう。  
    サハチ、ヒューガと共に、無事にヤマトゥから帰る。  
    ヒューガ、佐敷按司がヒューガのために新築した城下の屋敷を与えられる。  
  3月 ヒューガを好きになっている自分に気付く。ヒューガの屋敷に時々行っては世話を焼く。  
  5月 ヒューガ、サハチとマチルギを連れて今帰仁に行く。  
  12月 剣術の稽古納め。  
    マチルギ、伊波に帰る。  
1389年 1月 姪のマシューを佐敷ヌルに就任させる。 33歳
    佐敷ヌルが馬天浜から佐敷グスク内の屋敷に移る。  
  2月 サハチとマチルギの婚礼。  
    剣術の稽古初め。  
  5月 梅雨が明け、サハチ、マチルギ、ヒューガと一緒に南部の旅に出る。  
    ヒューガとサハチ、マチルギと一緒なら大丈夫、久高島に行こうと思う。  
    久高島に行き、フカマヌルに連れられて、サスカサが籠もっているフボーヌムイに行く。  
    サハチたちは帰るが、サスカサと共にフボーヌムイに籠もって修行を積む。  
  8月 台風で馬天浜の馬天ヌルの屋敷は潰れる。  
  11月 修行を終えて、久高島から佐敷に帰る。  
    帰って来た馬天ヌルは霊力を高めて神気が漂い、ヌルという型から解放されて自由気ままになる。  
    ヒューガの屋敷に泊まり、結ばれる。以後、時々、ヒューガの屋敷に泊まる。  
1390年 2月 サハチの長男、サグルーが生まれる。 34歳
    父のサミガー大主が隠居して、兄のウミンターが跡を継ぐ。  
  9月 新しい屋敷が、サミガー大主の隠居屋敷の隣りに完成して移る。  
1391年 4月 佐敷按司、今帰仁に出陣して行く。 35歳
    早朝、大グスクの兵30が佐敷グスクに攻めて来る。  
    佐敷按司、無事に帰還する。  
  9月 サハチの次男、ジルムイ(尚忠)、生まれる。  
    女の子を産む。ヒューガの母の名を貰ってササと名付ける。  
1392年 1月 兄のサグルー、出家して旅に出る。甥のサハチが佐敷按司になる。 36歳
  2月 兄のサグルーから、由緒あるガーラダマ(勾玉)を受け取る。  
  9月 馬天浜で、落ち込んでいるウニタキと出会う。  
1394年 1月 甥のマサンルーと、奥間鍛冶屋のヤキチの娘、キクの婚礼。 38歳
  3月 ウニタキとチルーの婚礼。  
1395年 2月 姪のマナミーが玉グスクに嫁ぎ、甥のヤグルーが玉グスクの姫と婚礼。 39歳
1396年 1月 『ツキシルの石』が光り、旅に出る決心をする。 40歳
    ウタキ巡りの旅に出る。知念、玉グスク、垣花方面を巡る。  
1397年 1月 姪のマカマドゥが知念に嫁ぐ。 41歳
    ウタキ巡りの旅に出る。糸数、具志頭、八重瀬、島尻大里、小禄方面を巡る。  
1398年 1月 ウタキ巡りの旅に出る。島添大里、与那原、首里、浦添、北谷、読谷山方面を巡る。 42歳
    台風で倒れる前の首里天閣を見る。  
1399年 1月 ウタキ巡りの旅に出る。中グスク、越来、勝連、伊波、山田方面を巡る。 43歳
1400年 1月 甥のマタルーと八重瀬按司の娘、マカミーの婚礼。 44歳
    ウタキ巡りの旅に出る。今帰仁から北部を巡る。  
    勝連で望月ヌルと会う。奥間でサタルーと会う。  
    五年間の旅で、さらに霊力を高めた馬天ヌルは、各地のヌルと親しくなり、各地のヌルたちから尊敬される存在となる。  
1401年 3月 馬天浜で、不思議な唐人、ファイチ(懐機)と出会い、サハチに会わせる。。 45歳
  5月 佐敷ヌルを連れて、知念のウタキを巡る。  
  6月 中山王の武寧、首里天閣を片付けて、グスクを築くために整地する。  
  11月 サハチが島添大里グスク攻めに出陣する。佐敷ヌルと共に出陣の儀式を執り行う。  
1402年 1月 サハチとサグルー、大グスクを攻め落とす。 46歳
    サハチとサグルー、島添大里グスクを攻め落とす。  
    佐敷ヌルと共に、島添大里グスクを清め、サハチの守り神の『ツキシルの石』を佐敷グスクから島添大里グスクに遷座する。  
  2月 サハチ、島添大里按司になる。  
  3月 大グスクヌルを助けて、大グスクの婚礼を執り行う。  
  4月 姪のマチルー、山南王の若按司に嫁ぐ。  
  5月 久高島から来たフカマヌルと再会し、フカマヌルとウニタキを会わせる。  
  10月 父のサミガー大主(73)か亡くなる。  
  11月 佐敷ヌルが娘を産む。  
1403年 1月 甥のクルーと山南王の娘、ウミトゥクの婚礼。 47歳
  3月 久高島で、フカマヌルが娘を産む。  
1404年 3月 母(69)が亡くなる。 48歳
1406年 1月 フカマヌル、久高島から島添大里に来る。 50歳
    フカマヌルを『ツキシルの石』に連れて行くと石が光る。  
    『ツキシルの石』が光るのを見た事があるマチルギと佐敷ヌル、そして、フカマヌルを連れて、首里のマジムンを退治する事を決意する。  
    奥間のサタルーに頼まれて、マチルギと会わせる。  
  2月 サハチとサグルー、首里に出陣する。  
    首里のマジムンを退治するため、佐敷ヌルとフカマヌルとマチルギを連れて出陣する。  
    奪い取った首里グスクのマジムンを退治する。  
    奪い取った中グスク、越来グスクのお清めをする。  
    勝連ヌルと望月ヌルも加わって、勝連グスクのマジムンを退治する。  
    兄が中山王になる。  




創作ノートの目次に戻る



inserted by FC2 system