沖縄の酔雲庵


尚巴志伝

井野酔雲



泰期の略歴


1322年   浦添間切の謝名に生まれる。童名はタチ。 1歳
1336年   察度(ジャナ)と一緒に倭寇の船に乗って、日本国の壱岐島に行く。 15歳
    壱岐島を拠点にした倭寇、宝厳坊の配下となって高麗国を襲撃する。  
1343年   元国から財宝を積んで帰って来た幕府の船を襲撃する。 22歳
1344年 12月 大量の宋銭を土産に、察度と一緒に琉球に帰る。 23歳
    父から素性を聞き、察度と共に敵討ちを決心する。  
1345年   生きている事を信じて、ずっと帰りを待っていてくれた察度の妹を妻に迎える。 24歳
    慶良間の島に若者たちを集めて、兵にするための訓練を始める。  
    妻と一緒に慶良間の島に移り、若者たちの面倒を見る。  
1346年   察度が勝連按司の娘を嫁に迎え、安里に屋敷を構えて、安里大親を名乗る。 25歳
    長女、生まれる。  
1347年   察度、玉グスク按司と敵対している島尻大里按司と同盟する。 26歳
1348年   察度、中グスク按司の長男と密かに同盟を結ぶ。 27歳
  長男、生まれる。  
1349年   慶良間で育てた兵を使って、浦添按司の西威を倒す。 28歳
    察度、浦添按司になる。  
1350年   浮島(那覇)を監視するため、小禄にグスクを築いて、小禄按司になる。察度から交易を任される。 29歳
    この頃より浮島に外来人たちが住み着くようになる。  
    元の商船、日本の商船、東南アジアの商船が出入りする。  
1352年   次女、生まれる。 31歳
1355年   次男、生まれる。 34歳
1356年   察度にようやく、跡継ぎの男子(武寧)が生まれる。 35歳
1357年   三女、生まれる。 36歳
1358年   日本から中国に向かう商船が浮島に寄港する。 37歳
1360年   四女、生まれる。 39歳
1361年   日本国で、征西府軍、少弐氏の太宰府を落とし、太宰府を征西府とする。1372年まで存続。 40歳
    南朝方の倭寇が取り引きのために、次々に浮島にやって来る。  
1364年   硫黄鳥島を奪い取り、硫黄の採掘を始める。 43歳
1365年   五女、生まれる。 44歳
1367年   六女、生まれる。 46歳
1368年   中国で、元が滅び、明が建国。 47歳
    浮島に波上山護国寺が創建される。  
    中国に向かう日本船、浮島に寄港する。  
1369年   明国の使者、楊載、日本への行き帰りに浮島に寄港する。 48歳
1371年   明国の使者、楊載、日本からの帰りに浮島に寄港。 50歳
    久米村の長吏、程復、察度の要請で楊載に琉球を冊封するように頼む。  
1372年 5月 明から琉球に使者が来る。 51歳
  10月 琉球中山王、察度の使者として明の船に乗って、応天府に行き、洪武帝に進貢@する。  
1373年 5月 明の船で帰国する。 52歳
1374年 8月 使者として明に進貢A。明の使者、馬と硫黄を積んで帰る。 53歳
1375年 5月 明の使者、李浩、琉球に来る。泰期、帰国する。 54歳
    馬天浜に行って、サミガー大主と会い、鮫皮の事を聞く。  
1376年 2月 明の使者李浩、馬40頭、硫黄5000斤を積んで帰国。泰期、帰国する李浩に従い進貢B。 55歳
  7月 明の船で帰国する。  
    慶良間の島で、鮫皮作りを始める。  
  10月 使者として明に進貢C。元旦を賀し、馬16頭、硫黄1000斤を進貢。  
1377年 5月 明の船で帰国する。 56歳
  7月 読谷山で馬の飼育を始める。妻と次男を連れて行く。  
1378年 3月 使者として明に進貢D。 57歳
  8月 明の船で帰国する。  
1380年 1月 使者として明に進貢E。 59歳
  6月 明の船で帰国する。  
  7月 島尻大里按司(承察度)が、初めて明に進貢@。琉球山南王となる。  
1381年 5月 山南王の使者、明の船で帰国する。 60歳
  11月 使者として明に進貢F。  
1382年 5月 明の船で帰国する。 61歳
    泰期、使者を引退し、小禄按司も若按司に譲り、宇座按司として、読谷山で馬の飼育に専念する。  
    明の使者、梁a、泰期が育てた馬983匹を貨幣で買う。  
  9月 妻(58)、死す。  
  10月 中山進貢G、山南進貢A。今帰仁按司(怕尼芝)も山北王として初めて進貢@。  
    泰期に代わって、久米村の亜蘭匏が使者となる。  
1383年 5月 三人の王の使者を乗せた進貢船、帰国する。 62歳
    勝連のウニタキ(12)が乗馬の稽古をするために、宇座の牧場に滞在する。  
    山伏のクマヌが牧場に訪ねて来る。昔話を聞かせてやる。  
  9月 六女が山田按司の若按司に嫁ぐ。  
  10月 中山進貢H、山南B、山北進貢A。  
1384年 4月 中山進貢I。 63歳
    産後、体調を崩した武寧の妻のウシと一緒に、侍女のナーサが牧場に来て滞在する。二人に乗馬を教える。  
    以後、ナーサは察度の使者として、訪ねて来るようになる。  
1385年 5月 中山と山南、念願の船を1隻づつ賜わって帰国する。 64歳
    サミガー大主が訪ねて来て、馬20頭を買っていく。  
    後妻に、ウミンチュの娘、ナミーを迎える。  
1386年   ナミー、クグルーを産む。 65歳
    伊波のマチルギが兄たちと一緒に遊びに来る。  
1387年 2月 クマヌがサミガー大主の孫のサハチ(尚巴志)を連れて来る。 66歳
1388年 5月 浦添に行っていて留守中に、サハチとマチルギが訪ねて来る。 67歳
1389年 3月 勝連のウニタキが妻と一緒に訪ねて来る。 68歳
1390年 1月 次男に宇座按司を譲って、隠居する。 69歳
1391年 4月 今帰仁合戦。長男の小禄按司と次男の宇座按司が出陣する。 70歳
  6月 サハチとマチルギが、ヒューガと一緒に訪ねて来る。  
1392年 4月 サミガー大主の倅が頭を丸め、東行法師となって訪ねて来る。 71歳
  5月 察度、首里に隠居所の「首里天閣」が完成して、浦添グスクから移る。  
    東行法師を連れて、首里天閣に行き、察度と会う。  
1394年 6月 サハチとマチルギが、弟夫婦と一緒に訪ねて来る。 73歳
1395年 10月 察度(75)死す。武寧が跡を継いで、中山王になる。 74歳
1396年 8月 武寧をいさめるが言う事を聞かず、以後、浦添には近づかない。 75歳
1397年 3月 浦添と玉グスクの婚礼が盛大に行なわれるが、出席せず。 76歳
1398年 2月 死す。 77歳




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