「第二部、赤松政則」は妻と子をさらわれた太郎(愛洲移香斎)が、妻子を救い出すために播磨の国に行き、そこでの活躍を描きます。 |
目次
1.悪霊 | 焼け跡のまま放置されている京の都も、雪化粧して惨めな姿を隠していた。 |
2.赤松一族 | 夕暮れ近く、丹波と播磨の国境を西に向かって、急ぎ足で歩いている阿修羅坊の姿があった。 |
3.阿修羅坊 | 木の香りも新しい屋敷の離れの書院で、浦上美作守は独り、刀の手入れをしていた。 |
4.風間光一郎 | 例年のごとく、明日から始まる飯道山の武術修行の受付が今日だった。 |
5.夕顔 | 木枯らしが鳴いていた。太郎は一人、酒を飲んでいた。 |
6.駿河 | 満開の桜の花越しに、雪を被った富士山が春の日差しを浴びて輝いていた。 |
7.火乱坊 | 霧が立ち込め、しとしとと雨が降っている。恨めしそうに、空を睨んでいる山伏がいた。 |
8.大峯山 | 伊賀の国を通り、大和の国に入って行くと、いやでも戦という現実が目に入って来た。 |
9.楓 | 色あせた紫陽花が雨に打たれていた。梅雨も上がったはずなのに、ぐずついた天気が続いていた。 |
10.日輪坊と月輪坊 | 下界はお盆だった。あちこちで、庶民たちが『念仏踊り』を踊っていた。 |
11.浦上屋敷 | 屋敷の表門には篝火を昼間の様に焚き、武装した武士たちが寝ずの番をしていた。 |
12.播磨へ | まだ、師匠と呼ばれる事に抵抗を感じていたが、そんな事に構っていられなかった。 |
13.置塩城下 | 太郎と八郎、そして、夢庵と牛の一行は無事、置塩城下に入れた。 |
14.笠形山 | 金比羅坊、風光坊、探真坊の三人は笠形山への山道を登っていた。 |
15.河原にて1 | 毎日、暑い日が続いているが、少しづつ、秋の気配が漂って来ている。 |
16.河原にて2 | 阿修羅坊が置塩城下に戻って来たのは、太郎たちより二日遅れた八月の一日だった。 |
17.白旗神社 | 太郎は一人で、白旗神社に向かっていた。これ以上、無駄な戦いは避けたかった。 |
18.金勝座1 | 久し振りに『浦浪』に戻った太郎は、助六に迎えられた。 |
19.金勝座2 | 太郎は『浦浪』の薄暗い部屋の中で、播磨の国の絵地図を眺めていた。 |
20.城山城 | 太郎、金比羅坊、風光坊、八郎、夢庵の一行は城山城に向かっていた。 |
21.松阿弥1 | 痩せ細った僧侶を連れて、阿修羅坊が播磨の国に向かっていた。 |
22.松阿弥2 | 太郎は外を眺めながら、夢庵から言われた事を考えていた。 |
23.別所加賀守1 | 夢庵は快く引き受け、別所屋敷へと向かった。 |
24.別所加賀守2 | 昨日の大雨が嘘のように、空は晴れ渡っていた。 |
25.銀山1 | 四人の山伏が急ぎ足で、播磨と但馬の国境を越えようとしていた。 |
26.銀山2 | 彼らは皆、働き者だった。朝早くから皆、働きに出て行った。 |
27.正明坊 | 国元の『噂』は、すでに、在京している赤松家の重臣たちの耳にも入っていた。 |
28.婆娑羅党 | 太郎は待っていた金勝座の者たちに旅の成果を知らせた。皆、大喜びだった。 |
29.赤松政則 | 別所屋敷の庭の片隅に座り込んで、太郎は木彫りの馬を彫っていた。 |
30.赤松日向守1 | 極楽浄土を思わせる庭園を右に見ながら進み、太郎たちは左側にある一室に通された。 |
31.赤松日向守2 | 太郎は赤松政則の剣術師範、上原弥五郎を相手に木剣を構えていた。 |
文末地図 | 1.相国寺 2.清水寺 3.須賀谷 4.飯道山 6.早雲庵、駿府屋形 7.山上ヶ岳 8.笙の窟 9.花養院 10.花の御所 12.大谿寺 13.置塩城下 14.笠形山 15.瑠璃寺、城山城 20.城山城 21.出石城下 25.生野銀山 27.相国寺 28.大谿寺 30.大河内庄 |