沖縄の酔雲庵

尚巴志伝

井野酔雲

第三部 


戦乱の琉球(りゅうきゅう)を統一した英雄、尚巴志(しょうはし)の物語です。
かつて琉球王国として栄えた沖縄。那覇の港には明、日本、朝鮮、東南アジアから来た船が集まり、盛んに交易をしていました。琉球の人たちも危険を顧みずに、明、日本、朝鮮、東南アジアへと遠い船旅をしていたのです。
尚巴志が琉球を統一したのは1429年です。その年、日本では足利義教が第六代の室町幕府の将軍になっています。
六百年前の沖縄、琉球王国の黎明期をお楽しみください。

「第三部」は山北王の攀安知を滅ぼした尚巴志が、琉球を統一して亡くなるまでの話です。


このイラストは和々様よりお借りしました。


目次


1.沖の郡島
(第一稿)

戦が終わった翌日、志慶真ヌル、シンシン、ナナ、東松田の若ヌル、サスカサは、クーイの若ヌルの死を伝えるために沖の郡島(古宇利島)に向かった。水軍大将ヒューガの配下、ウムンの船に乗り、サタルーとシラーが二十人づつの兵を引き連れて従った。

2.凱旋
(第一稿)

山北王を倒した六日後の四月十七日、尚巴志は中山軍を率いて首里に凱旋した。今帰仁を発ったのは十四日で、その日は名護まで行き、二日目は恩納まで、三日目は喜名に泊まって、四日目に首里に到着した。

3.逃避行
(第一稿)

今帰仁の戦が始まる半月ほど前の三月二十八日、武装船に乗って逃亡した湧川大主は与論島に着いた。前日の夕方、運天泊を出帆し、奥間沖で一泊してから与論島に向かっていた。

4.今帰仁再建
(第一稿)

今帰仁グスクの外曲輪に朝鮮の綿布で作った仮小屋がずらりと並んで建っていた。戦の被害が少なく、広い外曲輪が今帰仁再建の拠点として機能していた。

5.伊江島と瀬底島
(第一稿)

瀬底の若ヌルが今帰仁に来た翌日、久し振りに日が出たので、サスカサ、シンシン、ナナ、東松田の若ヌル、志慶真ヌルがサグルーとマウシを連れて、ヒューガの配下、ウムンの船に乗って伊江島に向かった。伊江ヌルと屋部ヌル、瀬底の若ヌルと本部ヌルも一緒に行った。

6.与論島平定
(第一稿)

梅雨が上がった五月の五日、サグルーが奄美の島々を平定するためにヒューガの武装船に乗って親泊を出帆した。ジルムイとマウシとシラーがサムレー大将として従い、武装船と七隻の大型船に四百人の兵が乗っていた。

7.永良部島騒動
(第一稿)

武装船を先頭に中山王の船は永良部島に向かっていた。永良部島にはアキシノ様の子孫のヌルがいるという。母から聞いた話では初代の永良部ヌルはアキシノ様の孫で、代々続いて来たが、今は瀬利覚ヌルを名乗っているらしい。

8.永良部ヌルと鳥島
(第一稿)

世の主が以前に暮らしていた玉グスクは、新しいグスクの東、半里ほどの小高い丘の上にあり、浦添グスクを小さくしたようなグスクだった。高い石垣はかなり古く、英祖の弟が永良部按司になった時に築いたのだろうとサグルーは思った。

9.海の『まるずや』
(第一稿)

越山のウタキで神様の話を聞いた翌日、鳥島の事を聞こうとサスカサたちはサミガー親方に会いに行った。永良部按司になったサミガー親方だったが、仕事の引き継ぎをしなければならないと言って知名の屋敷に帰っていた。

10.トゥクカーミー
(第一稿)

シンシンとナナが予想したように、島ヌルのカリーと親方の息子のサクラーは消えてしまった。どこに行ったのかわからないが、無事に帰ってくるまで、サスカサたちは待っている事にした。

11.アメキウディーの饗宴
(第一稿)

ウンノー泊に戻ってサグルーたちと合流したサスカサたちは、先代徳之島按司の妹の犬田布ヌルと会った。犬田布ヌルは山北王を倒してくれた事を感謝したが、中山王が今の按司を倒す意志がない事を知って悲しんだ。

12.ササの娘、ヤエの誕生
(第一稿)

サスカサたちが徳之島で神様たちとの酒盛りを楽しんでいた頃、首里グスクの龍天閣の三階の回廊からササは満月を見上げながら酒杯を傾けていた。

13.湯湾岳のマキビタルー
(第一稿)

夜明けまで続いた神様たちとの酒盛りの後、天城岳を下りたサスカサたちはアメキヌルの屋敷に着くと疲れ果てて眠りに就いた。夕方に目覚めたヌルたちはサスカサたちを尊敬のまなざしで見て、改めて歓迎の宴を開いてくれた。

14.赤木名
(第一稿)

目を覚ましたサスカサは自分がどこにいるのかわからなかった。水の音が聞こえるので小屋から出てみると目の前に滝があった。鬱蒼と樹木が生い茂り、滝から落ちてくる水が溜まっている所の上だけが明るく、青空が見えていた。

15.アマンウディー
(第一稿)

赤木名グスクで催された歓迎の宴に手花部ヌルが若ヌルを連れて参加した。赤木名ヌルが絶えた後、カサンウディーとアマンディーを守っていたのが手花部ヌルだった。
 



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