2001年の9月、初めて沖縄に行った時、私は沖縄戦の事をよく知りませんでした。勿論、ひめゆりの塔の話は知っていました。知ってはいても、詳しい事は何も知らなかったのです。 |
沖縄県立第二高等女学校は琉球松の生い茂っていた松尾山の高台の上にありました。白壁の美しい近代的な二階建て校舎だったようです。 昭和19年10月10日、突然の大空襲で那覇の街は焼け野原と化し、二高女の校舎も焼け落ちてしまいます。その後、焼け残った建物を仮校舎として授業を続けますが、翌年の3月になると米軍の攻撃が迫って来て、四年生は補助看護婦として、お国のために働く事になります。二高女は山部隊(第27師団)の第一野戦病院に配属されました。 戦後になって、師範学校女子部と一高女は校友会誌の名前から「ひめゆり学徒隊」と呼ばれ、二高女は白梅の校章から「白梅学徒隊」と呼ばれるようになります。他にも、首里高女は「ずいせん学徒隊」、昭和高女は「梯梧学徒隊」、積徳高女は「積徳学徒隊」、三高女は「なごらん学徒隊」と呼ばれ、皆、看護婦として働いて、犠牲者を出しています。 |
第一部 | 1.愛国行進曲 県立第二高等女学校も兵舎に使われ、生徒たちは‥‥ | 昭和19年10月9日 |
2.十月十日 防空頭巾を抱え、モンペ姿に救急袋とリュックを背負‥‥ | 10月10日 | |
3.焼け跡から 廃墟と化した那覇の上空を美しい編隊を組みなが‥‥ | 10月14日 | |
4.仮小屋住まい 友軍機は大戦果を挙げたと大本営は発表した。‥‥ | 11月13日 | |
5.ああ紅の血は燃ゆる 対馬丸の沈没後、県外疎開は減っていた‥‥ | 12月11日 | |
6.黒砂糖 第32軍の陸軍病院は熊本で編成されたので九州出身者‥‥ | 昭和20年1月21日 | |
7.タコ八の歌 高峰三枝子が歌った「湖畔の宿」って発売禁止に‥‥ | 2月6日 | |
8.風と共に去りぬ 夏目漱石、森鴎外、泉鏡花、島崎藤村、中里‥‥ | 3月4日 | |
第二部 | 1.看護教育隊 一つ、軍人は忠節を尽くすを本分とすべし。‥‥ | 3月6日 |
2.内務班 起床ラッパに起こされた。寝ぼけ眼でキョロキョロし‥‥ | 3月7日 | |
3.陸軍記念日 我が大日本帝国陸軍が日露戦争最後の大会戦で‥‥ | 3月10日 | |
4.外出許可 東風平から北上して南風原に出た。南風原の山中には‥‥ | 3月18日 | |
5.敵襲 硫黄島が玉砕したと知らされた。敵はいよいよ日本に近づ‥‥ | 3月24日 | |
6.山部隊第一野戦病院 八重瀬岳はこんもりとした緑に覆われて‥‥ | 3月25日 | |
7.最初の負傷兵 空襲は毎日続いていた。那覇や首里、それに港川‥‥ | 3月28日 | |
8.第一坑道 胸の所の大きな傷は皮がめくれて中の肉が見え、血が‥‥ | 3月30日 | |
9.米軍上陸 壕内の第三外科病棟は少しづつ患者の数が増えて行‥‥ | 4月1日 | |
10.神風特攻隊 4月8日の大詔奉戴日、菊の御紋入りの落雁が‥‥ | 4月6日 | |
11.第六外科病棟 伊良波看護婦は去年まで仏印の野戦病院にいた‥‥ | 4月15日 | |
12.直撃弾 日の丸の旗を振りながら那覇に凱旋する事を夢に見て‥‥ | 4月23日 | |
13.天長節 爆弾を背負った兵隊が戦車の通り道にタコ壷を掘って‥‥ | 4月29日 | |
14.新城分院 埋葬地にも艦砲弾が落ち、大きな穴がいくつもあい‥‥ | 5月2日 | |
15.東風平分院 沖縄救出のために出撃した戦艦大和を中心とした‥‥ | 5月5日 | |
16.下痢 特攻機が敵艦に命中して、火柱が上がり、黒い煙が舞い上‥‥ | 5月9日 | |
17.蛆虫 包帯を外し、膿に濡れたガーゼをはがすと、艦砲の破片に‥‥ | 5月12日 | |
18.破傷風患者と脳症患者 婚約者は李香蘭のような美人なんだよ‥‥ | 5月15日 | |
19.梅雨 艦砲の嵐は凄まじく、八重瀬岳を覆っていた樹木は吹き飛‥‥ | 5月25日 | |
20.海軍記念日 男子中学校は各学校で鉄血勤皇隊を組織して戦争‥‥ | 5月27日 | |
21.解散 大きな水溜りには、捨てられた死体が膨れたまま放置され‥‥ | 6月4日 | |
第三部 | 1.真栄平 艦砲弾が次々に落ちて来た。ヒュッと音がしたかと思う‥‥ | 6月5日 |
2.真壁 焼夷弾にやられたのか、ほとんどの民家は焼け落ち、焼け‥‥ | 6月6日 | |
3.波平 上原婦長は背が高くて、美人で優しそうな婦長さんだった‥‥ | 6月7日 | |
4.伊原 第三外科壕は伊原部落からかなり離れていて、しかも、松林‥‥ | 6月7日 | |
5.奈津子 突然、敵機が北の方から何機も飛んで来た。糸洲部落の辺‥‥ | 6月8日 | |
6.空襲 近くの民家にも爆弾は次々に落ちて来た。地面が揺れ、黒い‥‥ | 6月9日 | |
7.榴散弾 道には崩れた石垣が散らばり、血だらけの死体がいくつも‥‥ | 6月10日 | |
8.山第二野戦病院 武器を手にした衛生兵たちが斬り込みに行く最中‥‥ | 6月10日 | |
9.雑居壕 真栄里の部落はすでに米軍に占領されていて、敵の戦車や‥‥ | 6月14日 | |
10.逃避行 岩山の方を見ると、武器を手にしたアメリカ兵らしい人影が‥‥ | 6月18日 | |
11.米須海岸 沖に敵の軍艦がずらりと並び、絶え間なく艦砲を撃って‥‥ | 6月19日 | |
12.国吉 息もできず、目も開けられず、苦しんでいる所を火炎放射を‥‥ | 6月21日 | |
13.摩文仁 手榴弾で自決したのか、血だらけになっている岩陰が‥‥ | 6月22日 | |
14.捕虜 アメリカ兵が近づいて来た。自動小銃の音が響いて、悲鳴が‥‥ | 6月23日 | |
15.収容所 いよいよ、海に捨てられるのだろうかと不安な気持ちで船‥‥ | 6月24日 |
ブログ版の「沖縄二高女看護隊 チーコの青春」を作ってみました。そちらも御覧下さい。